地上から空へ。20年後のモビリティ社会×ENEOSの新規事業を形にする立役者
ENEOSホールディングス株式会社 未来事業推進部 徳富大治郎
2040年の世界を見据え、次の柱となるような事業を開発する―――
それが、ENEOSホールディングス 未来事業推進部のミッションだ。
部単体で年間数十億円規模のファンドを持ち、大企業としては珍しく部長の矢崎さんの承認があればすぐに投資ができる体制を整えている。
21人のメンバーは自分が情熱を持って取り組むことができるテーマを事業化すべく、それぞれが模索している。そんな中、ドローンをテーマに新規事業開発に取り組んでいるのが徳富大治郎さんだ。最近では『空飛ぶクルマ』を開発するSkyDrive社、産業用ドローン等を活用した業務用ロボティクスソリューションを提供するセンシンロボティクス社に投資をしたばかりだ。
徳富さんはこれまで事業開発の経験はなく、プロセスエンジニアとしてのキャリアを積んできた。
「大学院まで化学を専攻し、ミクロの世界を研究していたんです。その反動でスケールの大きい仕事がしたいと思い、ENEOS(合併前の東燃ゼネラル石油)に入社しました。そこから6年間はエンジニアとして川崎と和歌山の製油所で働き、石油精製プロセスを改善し『いかに安く仕入れ・加工し、高く売ることができるか』ということに取り組んでいました。石油ビジネスは非常に規模が大きく、少しでも改善が成功すると一気に数百万から数千万円の利益が出るんです。大変なこともありましたが、結果が出ることにやりがいを感じていました」
そうした中、2019年4月に創設された未来事業推進部への配属が決まる。
「これから石油製品の需要が減っていくことは明らかな中で、2040年の世界を見据えて次の柱となる事業を探し事業化していくことがミッションです。事業テーマは『街づくり・モビリティ』『低炭素・循環型社会』『データサイエンス』の3つですが、それぞれが幅広く、選択肢が無限にあるので、本人が情熱を持てるテーマかどうかが重要。『やり通せる気持ちがあるなら、自分のやりたいことを何でもやっていい』と言われています」
選択肢が無限にある中、自分の心が躍るようなテーマで、かつビジネスの可能性を感じたのがドローンだった。
「ビジネスとして大きくなりそうなものでも興味がないと続かない。やるなら楽しく、ワクワクすることがしたい。ドローンは単純にワクワクする上にENEOSのビジネスとも親和性が高かったんです。ドローンは注目されてるけど、まだ飛ぶための基盤が整っていない。そこでENEOSであらゆるドローンが離発着し、エネルギー供給が可能な「ドローンステーション」を構築したいと思っています。将来的にはドローンだけでなく、空飛ぶクルマやEV、電動キックボード、電動自転車などが集まる一大モビリティステーションを構築できたら面白いですね。今ENEOSが持っている全国13,000か所のガソリンスタンドや特約店ネットワーク、ENEOSブランド等の資源を使ってできることが多いと思っています」
これまでエンジニアとして工場の現場で働いてきた徳富さんにとって、未来事業推進部での仕事はこれまでとは違ったやりがいを感じているという。
「今のように自由に何でもやりたいことをやらせてくれる環境ってなかなかない。1担当者だけどビジネスを自分で組み立てていけることに面白さを感じています。この1年半は製油所の現場で働く環境からガラッと変わり、スタートアップ企業の方々と会って話す機会が増え、彼らの熱量に触れて刺激を受ける日々。せっかくこの部署に来たからには、とにかく楽しんで、ビジネスをひとつでも収益化するところまで形にするのが当面の目標です」
―徳富さんにとってInspired.Labはどんな場所?
「いい意味で仕事をしに来てる感覚がない。これまで職場に向かう時は仕事に行くぞ、という気持ちがあったけど、Inspired. Labに向かう時は不思議とそう思わないんです。それはここで働く人の多くが前向きで活力があって、そのポジティブなエネルギーをもらえる場所だからだと思います。ENEOSのメンバーは飲み好き・話し好きが多いので、これからもInspired.Labメンバーとどんどん話して刺激し合えることができたら嬉しいです!」