李 晟磊 Seirai Li – RECIKA / Chief Marketing Officer –

 2018年12月、ブロックチェーンのコンサルティング・システム開発を手掛けるRECIKAは設立された。
李 晟磊(り せいらい)さん(以下セイライさん)はCMOとして立ち上げから参画し、マーケティングに始まり、現在は人事や広報といった内部業務を幅広く担当している。事業を軌道にのせるのに奔走する一方、現在妊娠10ヶ月。間も無く第一子の出産を迎える。

 RECIKAに入社する前は日系大手商社の上海支社で社長秘書として6年間働いていた。各部署から社長に寄せられる様々な相談事項や、社長秘書としてのプレッシャーと闘う毎日。そんな激務の日々を過ごす彼女に、本来の自分を取り戻す時間をくれたのがヨガだった。
ヨガで自身と向き合っていくうちに、周囲に合わせることなく本当の自分でいられることが、セイライさんが生きていく上で重要な指標となった。そしてあるとき、意を決して長年勤めた企業を退職し、ヨガインストラクターの資格を取得する。その後、結婚を機に日本へやってきた。

 来日当初はヨガスタジオ立ち上げを本格的に検討する傍ら、日中リーダーシッププログラムにも参加し、RECIKA代表のクリス・ダイ氏との運命的な出会いを果たす。「言いたいことを言える、自由で平等」な環境であるスタートアップ企業の良さに惹かれ、ヨガスタジオ設立ではなく、全く知らない業界へ飛び込むことを決心する。特に、RECIKAの描く未来の社会像に共感したのだという。「それまではまさかブロックチェーンの仕事をすることになるとは夢にも思っていませんでした」とセイライさんは当時を振り返る。

 実際にブロックチェーンの世界を知っていくと、会社のコンセプトや思想にますます共感を深めていったセイライさん。コーディングなど技術的な内容については詳しくないが、エンジニアたちとコミュニケーションを取りながら、ビジネスサイドから事業を組み立て支える。彼女の人柄とコミュニケーション能力が大きな役割を果たしていることが、短いインタビュー時間の中でも伝わってきた。

 「ブロックチェーンはまだユースケースがなく、どの分野においても実証段階。あらゆる産業において有効な手段なのか、社外とも手を取り合って検証していきたい」とセイライさん。「データが随時更新され、改ざんされないという特性を生かし、様々なパートナーと有効活用していけるシステムを作っていく。そしてデータを大手プラットフォームが独占している状況から、データを個人が所有し、インセンティブを管理者と使用者に付与していくような仕組みを生み出していきたい」と話してくれた。そうした仕組みを作っていくことで、例えば、私たちが医療機関や民間企業から新しいサービスを受ける際に都度個人情報を提供し、それが企業ごとにどのように活用されているか不明瞭な現在の状況を変え、いち個人が自ら情報を開示しコントロールしていくことができる。また新しい商品開発や調査機関での研究、医療開発などにも有意義にデータが活用されるようになっていく。それがRECIKAの目指す社会像であり、セイライさんが深く意義を感じているところなのだという。

 「空間」そして働く場を共有する「仲間」。これが、セイライさんがInspired.Labから受けている恩恵であり、これからも期待している点。「働く環境においては、居心地の良さが一番大切。そしてここに集まる企業やメンバーや物事に対して、近づこうと思えば近づける状況があることがとても良い」。
Inspired.Labのメンバーたちに、大企業のようなマニュアルのない中でどう事業運営をしているのか話を聞いていきたいそうだ。「どう資金調達しているのか、人材獲得はどうやっているか…ベーシックなところから聞いていきたい」。

 彼女は来月、出産を迎える。まず産後半年ほどは、半日出社し、半日は急務に対応しながらも子どもと過ごす、といった形で働いていくという。これからワーキングマザーとして新しい生活を迎えても、既成概念や周りの評価にとらわれない、彼女だからこそのスタイルを確立していくことだろう。

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