–   新しい価値、新しい世界へ

『昨日まで世界になかったものを。』旭化成グループは、人びとの“いのち”と“くらし”に貢献し、次の時代へ大胆に応えていくべく、新しいものを創造し続けている。そのような中、新規事業創出を加速させるために2019年に設立されたのがマーケティング&イノベーション本部(以下M&I本部)だ。社会の課題、顧客ニーズを重視したプロジェクトや既存事業の枠を超えるプロジェクトを取り扱い、それらを支える基盤構築・改善も行いながら新規市場の開拓を目指している。吉武勇人さんはこのM&I本部のマーケティング企画戦略室に在籍している。

「社内の事業化を目指すプロジェクトに対して、主にマーケティングの視点から戦略や戦術を提案しています。また、旭化成は2022年に創業100周年を迎えます。その歴史の中で、息の長い事業は何十年も続いているわけですが、良くも悪くも古い姿で残っている事業は数多くあります。マーケティング企画戦略室はそういった既存事業に対しても、時代に即した形へ変化していけるよう戦略・戦術面においてサポートを行っています。その他、新しい事業を検討する、あるいは今の事業を変革する上で重要となるスキルセットの共有やマインドセットの醸成といった、人材教育的な観点での活動も企画・推進しています」

現在はマーケティング企画戦略室に在籍している吉武さんだが、自身のことを元々はマテリアル側の人間だと語る。

「大学での専門分野がセルロース化学だったというのもあって、最初に配属されたのはベンベルグ工場の技術開発室でした。工場では、大学で取り組んでいたようなミクロなラボスケールの業務のみならず、配管をどう取り回すか、タンクの中でどうやって原液を製造するかというような、プラントエンジニアリング領域の仕事、製造プロセス開発を数多く経験しました。現場では、ヘルメットをかぶって、自分でボルトを締めて配管を組んだり、製造台で紡糸したり、ベンチスケールで原液を作ったりと、毎日のように汗で作業服の色が変わる作業をしていました(笑)。それはそれで充実していましたね。ベンベルグ工場で働いている人は本当に良い方ばかりで、一緒に仕事するのが楽しくって。旭化成の歴史をすごく感じる場所でもあります。工場が今91年目を迎えているのですが、設立当初から現役と思われる建物もまだあったりするんですよ」

日本のものづくりの歴史を感じながら、充実した日々を送っていた吉武さんだが、2年が経った頃心境に変化が訪れる。

「自分は昔から部分最適よりも全体最適に関心があるタイプで、常に物事全体のバランスに目がいってしまうんです。工場でも、物性のようなスペックを極めることよりも、事業全体を見た時にこの開発は本当に優先順位が高いのだろうかとか、この開発が社会にどういう価値を生むのだろうとか、そういうそもそも論のところに関心が向いてしまう。また、旭化成はグループ全体としていろいろな素材を持っているのだから、それらを上手く組み合わせて新しい価値を世の中に対して提供できないのだろうか、そこに会社としての伸び代があるんじゃないかという思いもずっとありました。そういう風に、事業や会社全体を見ながら企画・戦略立てができるような場所に行きたいなと思っていたら、偶然良いタイミングで合致するミッションを負った部署とマッチングできて、現在に至っています。ここでは最先端の情報にアクセスすることが求められ、またそういった機会を数多く得ることができるので、新しい世界との出会い、新たな発見に満ちていて、刺激的な日々を送ることができています。また、旭化成として新たな事業を生み出していくという活動は、世の中に大きなインパクトを与えられる可能性を秘めたものだと思うので、大きなモチベーションになります。昔からブランディングやデザインといった営みにはすごく関心があって個人的に勉強していたりもするのですが、そういったプライベートな活動の中で得るものがダイレクトに活用できる職に就けたのも幸せなことだと思っています」

もちろん、ベンベルグ工場での美しい日々は今も胸に焼き付いている。

「尊敬できる先輩・同僚に恵まれ、工場を動かすことの大変さや、そこで働く人々の熱い思いを知ることができました。今でもすごく愛着があります。旭化成には、他にも同様に思いが満ちた素敵な現場がたくさんあると思います。そういう現場、人、思いはかけがえのないものですし、私が旭化成にいる上での支えにもなっています。とはいえ、VUCA時代にあって、各事業が今の形のままずっと継続できるとは思えません。必ず時代に応じた大小様々な変化が求められると思います。そこで先手を打ちながら、現場、人、思いを繋いでいくことも、自分たちの使命かと思っています。社会に価値を届けるという目的のみならず、そういった意味でも新規事業に対する思いは強いです」

マーケティング企画戦略室に配属されて1年、昨日まで世界になかったものを生むために今何を考えているのだろうか。

「自分たちの持っている素材の価値や現状のビジネスモデルを問い直し、ビジネス拡大の機会を見出す活動をどんどん推進していきたいと思っています。現在考えている素材の機能を、その機能を生み出している要素に一度分解してから再構築することで、新たな機能をデザインする。その機能を体感できるかたちに落とし込み、それを通じて社員やお客さんと共に機能を価値へと昇華する。価値を社会に最大限伝えるためのビジネスモデルを組み立てる。これらをイテレーティブに行って、新たな用途、事業を形作っていく。大枠としてはそういった活動です。車載関係の素材・技術については、類似の思想でAKXYというコンセプトカーを作る挑戦がこれまでに成されています。ここでの成功や失敗も踏まえて、より洗練された取り組みを展開していきたいと思っています。詳細はまだお話しできないのですが、既に具体的に動いている案件もあるので、近い将来発表できるように頑張ります。」

-吉武さんにとってInspired.Labとは?

旭化成の中では得られない気づきや発見が得られる場所かなと思っています。多様な方々と話をしながら、ここでしか見られない世界を見ることができる。また、たとえ自分独りで考え事をしている時でも、ここにいるだけで普段とは違う、いつもの思考の枠を外してくれる空気感があると思います。同世代の方々が必死で何かをやり遂げようとしているのを見ると、刺激にもなりますね。そう言った意味で僕にとって、必要な場所です。せっかくこういうところにいるからには、やっぱりコラボ案件もやっていきたいですね(笑)。

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