「視聴質」から生み出す広告効果の最大化とメディアマーケットの可能性
「新しいデータによって、メディアマーケットを圧倒的に進化させる」。REVISIO株式会社（以下、REVISIO）は、視線や顔の向きから視聴態勢を計測・分析することができる独自の人体認識技術によって検知する「視聴質」を活用し、クライアントの広告効果の最大化を実現する会社だ。従来の「視聴率」は、調査パネル自身がリモコンで視聴状況を操作してデータを取得するため、実際の視聴状況と異なる場合がある。REVISIOのシステムでは、カメラを使用することで視聴者が特別な操作を行うことなく、自動的にデータを検知・測定するため、実際に番組やCMが見られているかどうか精度の高いデータ取得ができる点が特徴だ。REVISIOのセールスマネージャーを務める小黒真愛さんにインタビューを行った。
「REVISIOは、セールスチームだけでなく、カスタマーサクセスチームやデータサクセスチームと連携しながらクライアントワークを行っています。カスタマーサクセスチームが、データからインサイトを導き出し、各チームと協力しながらセールスチームがその活用方法を提案するなど、クライアントとの架け橋となる役割を担っています。」
小さい頃からテレビっ子だった小黒さん。小学校2年生から大学卒業までレスリングに打ち込み、就職活動では面白そうだと感じたテレビ業界へと飛び込んだ。新潟の放送局に入社し、広告営業としてラジオやテレビのCM枠を販売する営業を経験。その後東京支社に異動した際に、テレビ離れによる視聴率の低下を痛感したという。
「テレビ業界では、視聴率をもとにしたビジネスが行われているため、視聴率の低下は放送局にとって大きな打撃。視聴率が下がると放送局の価値が薄れてしまうため、売上を上げることが難しくなってしまいます。この状況を変えることができないか、外から放送業界に貢献できる方法はないかと考えるようになり、全国の視聴率データを扱う会社に転職することに。エリアマーケティングの推進に携わる中で、テレビ業界におけるデータ活用の可能性に気づきました。」
その後、独自データの活用や意思決定・アクションのスピード感に惹かれてREVISIOに入社。そして同時期に、システムデザイン・マネジメントを学ぶために大学院へ進学した。システムデザイン・マネジメントは、複雑な事象をシステムとして捉え、それらを構造化して課題解決に導く考え方を学ぶ学問だが、小黒さんがこの分野に興味を持ったきっかけは、まさに放送局の経験から得た現場の課題感だった。彼女は、これらに対してより包括的な解決策を見出す必要があると考え始めたのだ。
「テレビ業界での実務経験を通してメディアが直面する課題を理解しつつ、大学院での学びにより、問題をより俯瞰的に捉えて解決策を提案する能力が培われたと思います。特に、物事を俯瞰して捉えるというシステムデザイン・マネジメントの考え方は、日々のクライアントワークやプロジェクトマネジメントにおいても重要だと感じています。私はもともと、論理的な思考はあまり得意ではなかったのですが、大学院での経験を活かしながらデータに基づき課題を整理して言語化することで、クライアントに対してもよりわかりやすい形で説明できるようになりました。特にデータ活用があまり進んでいなかったテレビ業界やCMのクリエイティブ制作のように課題感が漠然としてしまうような分野でこそ、データの活用は大きな役割を果たします。弊社のサービスは、例えば15秒のCMの中でどのシーンが視聴者によく見られ、どこで視線が離れたかといった詳細なデータを取得することができるので、クライアントの伝えたいメッセージが視聴者に届いているか、商品訴求部分で見られているかを、定量的に把握することができます。ファクトデータを基に仮説を立てることによって、今後のCM制作に向けた示唆や提案ができる点が非常に面白くやりがいを感じています。」
テレビCMのような従来の広告手法に対し、新しい視点を提案することで、クライアントの成功を一緒に創り出していきたいと考える小黒さん。今後は、デジタル領域や新しいメディアとの連携も視野に入れ、より柔軟なアプローチを追求していくつもりだという。
「視聴質は、今までのテレビ業界にはなかった新しい概念のデータのため、広告効果の高まりを感じて導入していただく上での難しさもあります。しかし、これまでにないリアルなデータを提供できるため、最適な広告戦略を提案していくことで、広告主やメディア企業に新たな価値を提供していきたいと思っています。データを導入して終わりではなく、評価基準の構築やKPI設定から一緒に取り組むこともありますが、お客様ひとりひとりに伴走していくのは、この会社にいて面白いところです。単にデータを販売するのではなく、お客様との対話を通じて効果的な提案やサポートを行いながら一緒に課題解決に取り組むことが、REVISIOらしさだと感じています。」
最後に、小黒さんにとってInspired.Labとは？
「オフィスにいると、ついずっと画面に向かって仕事に集中しがちなのですが、Inspired.Labに来ることで気持ちがリフレッシュされて、同僚とも自然にコミュニケーションを取ることができます。ここでは、カフェでコーヒーを飲みながら仕事をしたり、ソファに座って気分を一新しながら取り組めたりと、また違った気持ちで業務に向き合えるので、居心地が良いですね。また、Inspired.Labには他企業の方も多くいらっしゃるので、活気を感じられますし、社外の方々とコミュニケーションをとれることも良い刺激になっています。」
2024.10.15
